クレニオセイクラルシステム

神経の中枢である脳と脊髄。
この重要性は、どなたにもわかって頂けることでしょう。

脳、そして、そこから伸びる脊髄は下方では神経線維の束となっていますが、それらは外側から硬膜・くも膜・軟膜という3層もの膜に包まれ、頭蓋骨・頸椎・胸椎・腰椎、そして仙骨の中におさまっています。

一番外側を厚い防水性のある硬膜で覆われた、取り出したらオタマジャクシのような形をしているその中では、脳脊髄液といわれる液体が生産・循環・再吸収されていています。

この脳脊髄液は、外部からの脳への衝撃を吸収するクッションの役割を果してもいるのです。

これら脳脊髄を包み・守り・支えているクレニオセイクラルシステムにワークしていくのが、クレニオセイクラルセラピーです。

ちなみに、
クレニオは頭蓋骨
セイクラルは仙骨
という意味です。

クレニオセイクラルリズム

クレニオセイクラルシステムには、呼吸とも拍動とも異なる独自のリズムがあります。

けれども、出生時のトラブルや外傷や様々なに要因によって、システムに問題が生じてしまうと、このリズムにも変化が起こります。

 クレニオセイクラルセラピーは、このリズムを一つの指標にしながら、ごくごくソフトなタッチで、システム本来の機能を補助し、自然治癒力による回復に寄り添っていくセラピーです。

気を送っているの?

ごくごくソフトなタッチを用いるため、
「気を送っているの?」
と、質問されることがあります。

ボディ・セラピーにおいても、目に見えない気やエネルギーの交流は、大きな役割を果していると、私は思っています。

ただ、クレニオセイクラルセラピーでは、手から出ている気を意識してクライアントに送っているわけではありません。

手技には、動きにくい方に動かす直接法と、動きやすい方に動かす間接法がありますが、受け手が感じないほどソフトな力で後者を行なったり、起きてくる変化に寄り添ったりしています。

反応がおさまるまで、1カ所に長く手がとどまることもありますが、それによって、クレニオセイクラルシステムの本来の動きに制限を与えている筋膜や硬膜、頭蓋や顔面を構成している骨・仙骨などのリリースを行っているのです。

深いリラクゼーション

様々なボディーワークがありますが、頭にそっと触れられるワークを体験なさったことはありますか?

その理由を今の段階では上手く説明できないのですが、クレニオセイクラルセラピーでは、いつも忙しい頭が静まり深いリラクゼーションを体験なさる方が多いです。

禁忌症

頭蓋内圧亢進、急性期の脳卒中、脳動脈瘤、多量の出血、延髄ヘルニア、最近の頭蓋骨折、脳脊髄液減少症、二分脊椎(脊髄髄膜瘤)、アーノルド・キアリ奇形

上記は、アプレジャー・インスティチュート(下記参照)がクレニオセイクラルセラピーの禁忌としている症状となります。



始まりとアプレジャー・インスティチュート

クレニオセイクラルセラピーは、アメリカのオステオパシーの医師(D.O.)であるジョン・E・アプレジャー博士によって始められたセラピーです。

彼は、頚部の手術で助手を行ない、脳脊髄を包んでいる硬膜が、毎分10回ほどのペースでリズミカルに動くのを目の当たりにします。

それをきっかけにサザーランドD.O.によって発見・開発されていた頭蓋オステオパシーに関心を持ち、研究と臨床を重ね、独自にクレニオセイクラルセラピーを確立していきました。

そして、彼は、ごく限られた人にのみ教え伝えていたオステオパシー協会の暗黙の禁を破り、希望する人には誰にでもこのセラピーを教えはじめたのです。

そこには、最も身近である母親が、我が子にこのセラピーを施すことが出来るようにという思いも込められていました。

アプレジャー博士は2012年に亡くなられました。

けれど、彼が設立したアプレジャー・インスティチュートによって、このセラピーは、今もより効果的であるよう洗練されつづけています。

 参考:『オステオパシーとは何か』

代表執筆者 平塚晃一先生

アプレジャーインスティチュート・ジャパン

日本支部であるアプレジャー・インスティチュート・ジャパンにおいても随時セミナーが開催されていて、「はるのいざない」では、『クレニオセイクラルセラピー初級・中級セミナー』で学んだことを基本にセッションを行っています。

また、2023年からは『クレニオセイクラルセラピーTouching the Brain(グリア細胞) 初級』セミナーで学んだことも取り入れています。