エドガー・ケイシー/魂や心と肉体を繋げているシステム
デイビット・マクミラン氏の講演会
今まで、自分の全てがこの体に居たわけではなかった。自分の一部が体から抜け出したまま、長い間生きてきた。
集中的に受けたボディワークで、いきなり体の不快さに気づいてしまった私はそう思いました。
けれど、なぜそんなことが起きたのか説明してくれる人はいませんでした。
ですから、数年後、知人のおかげで、エドガー・ケイシーのリーディングを研究し臨床に生かしてきたメンタルヘルスの専門家デイビット・マクミラン氏の講演会に参加できたことは、とても大きかったのです。
1998年に行われた『心の病を癒すホリスティック療法』という名のこの講演会、第一部のテーマは、ずばり、『心と身体のつながり』でした。
魂や心と肉体を繋げているシステム
私は英語がわかりませんから通訳の言葉が全てでしたが、その講演会でマクミラン氏は教えてくれました。
エドガー・ケイシーは、魂や心と肉体をつなげているシステムとして、
交感神経系統
知覚神経系統
内分泌腺
の三つをあげていたということを。
そして、彼が、不安症、恐怖症、強迫観念障害の人には「魂の脳」といわれる交感神経系統に問題がある場合が多いと言っていたことや、精神的な問題を抱えた人にはマッサージやオステオパシーを勧めていたということを。
テンプルビューティフルさんが制作して下さったテープから1箇所を引用しておきます。
原因が何であれ、不安症、不安感に対するエドガー・ケイシーの提案というのは、神経系統に働きかけるということです。
背骨を調整することによってです。
そして、マッサージをするということによってです。
どんなものであれ、この交感神経をリラックスさせるために何らかの刺激を与えるということです。
1998年4月22日デイビッド・マクミランM.A.来日記念講演「心の病を癒すホリスティック療法」第2部 「心の病‐その原因とアプローチ」後半より引用
今、この記事を書いているのは
マッサージ師の養成学校に入ったのは、あの講演会から10年以上経ってからのこと。
自律神経には交感神経と副交感神経があるということさえ分かっていたのか疑問です。
でも、通訳の方が、この場合の交感神経は副交感神経をも含む自律神経のこと、と、言っていた記憶が薄っすら残っています。
けれど、テープを聞き返すと、図で交感神経を指しているのがわかります。
もしかしたら、ポリヴェーガル理論に出会ってから、交感神経の働きをも抑制するという腹側迷走神経に夢中になり、これこそケイシーが言っていた恐怖症と関係する神経に違いないと思い込んでしまった私が作り上げた記憶かもしれません。
「知覚神経系統」にしても、テープでは、デイビット・マクミラン氏が図で何を指して言っているのかはっきりとはわかりません。
それでも、あの時聞いた、交感神経系統・知覚神経系統・内分泌腺という3つの言葉は、私が知りたいと思うことを紐解いていくために宇宙が与えてくれたヒントのようにも思えるのです。
ですから、アメブロでは何度か書いてきましたが、交感神経と知覚神経に関する興味深い文章に出会えた今、このブログにまとめてみようと思ったのです。
三つの神経
この記事をほぼ書き上げたところで、目を通していた『エドガー・ケイシー療法入門』(ウィリアム・A・マックギャレイ著)という本で重要な文章を見つけてしまいました。
前章に関わることなので、ここに引用文を載せておきます。
ケイシー・リーディングでは、二つではなく三つの神経系の存在が説かれている。まず、顕在意識の働きと筋運動を制御する脳脊髄神経系、これは意識心のための機能部である。次に交感神経系、これは今は自律神経系とみなされているものである。ケイシー在世当時、自律神経系は交感神経、不随意神経と称されていた。自律神経は無意識心のための系統である。三番目は知覚神経系で、これによって私たちは自分が三次元世界に住んでいることを自覚するのである。これは五官に行きわたるあらゆる神経を含み、他の二つの神経系と
『エドガー・ケイシー療法入門』P.232
ケイシーの存命中は自律神経系が交感神経と称されていたのですね。
この分け方だと、デイビット・マクミラン氏が教えてくれた、エドガー・ケイシーが言う肉体と魂や心を繋いでいるシステムには、やはり、運動神経は含まれないのでしょうか?
光田秀先生の記事
ちなみに、テープを手にする前だったと思います。
講演会の内容で気になった箇所があり、日本エドガー・ケイシーセンターまで出かけて行ったことがありました。
そこで、1997年3月発行の、日本エドガー・ケイシーセンター通信Oneness No.16 特集「うつを克服する」をコピーさせて頂けたのですが、その中に、現在の会長である光田秀先生の『魂の傷を癒す』という記事が載っていました。
そこには、
私達の魂は、もともと霊的次元に存在するものであり、物質世界に属する肉体とは次元を異にしています。そのため、魂と肉体は本来は相互作用を持つものではありません。そこで、魂はある巧妙な仕組みを介して肉体をコントロールします。その魂と肉体の仲立ちをする仕組みは大きく分けると、
(1)五感及び脳脊髄神経(随意筋)
(2)自律神経(不随意筋)
(3)内分泌腺
の3つになります。
光田秀先生の『魂の傷を癒す』P.15より引用
と、書かれています。
1997年の発行ですから、今は多少違った表現をなさっている可能性はありますが、随意筋とは骨格筋とも言われる自分の意思で動かすことの出来る筋肉のこと。
そして、不随意筋とは、自分の意思では動かすことの出来ない、心臓や消化管や血管などの筋肉のことですね。
ですから、脳脊髄神経には、知覚神経のような求心路だけではなく、運動神経も含まれているのでしょう。
私が、体と心を繋げているシステムとして、知覚神経・求心路に注目してしまうのは、やはり、マクミラン氏の講演会に参加したことが大きいのかもしれません。
この機会に、光田先生の記事からもう少し引用させて頂きます。
私達の魂と肉体は、このような3つの仕組みによって結び付けられているのですが、ケイシーによると、これらの3つの仕組みは、私達の3つの意識によってコントロールされているというということです。
その対応を示すと、
(1)脳脊髄神経ー顕在意識
(2)自律神経ー潜在意識
(3)内分泌腺ー超意識
と、いうことになります。
ただし、この対応を余りに厳密なものとはお考えにならないで下さい。(後略)
光田秀先生の『魂の傷を癒す』P.15より引用
交感神経と脊髄神経
ポリヴェーガル理論に出会ってから、ケイシーが言っていたのは、迷走神経のことだと都合良く思い込んでいましたが、彼が、不調に悩む多くの人に勧めた背骨の両脇のマッサージは、「交感神経系と脳脊髄神経系の協調」をもたらすためにも行われます。
『オイルマッサージ』のページにも書いてありますが、もう少し詳しく書いておきます。
主たる副交感神経繊維である迷走神経のニューロンは、脊髄ではなく脳の延髄から出ていて、後頭骨と側頭骨の間の僅かな隙間を通り、胸部や腹部へと伸びています。
一方、交感神経のニューロンは背骨の中におさまっている脊髄の、胸髄・腰髄部から出て、交感神経節にいたります。
神経節とは神経細胞が集まったところで、ニューロンが出てくる分節ごとに脊柱の左右に配列しています。
この神経節は神経幹と言われる神経線維の束によって数珠玉のようにつながれています。
言葉だけでは難しいと思います。
交感神経幹の膨らんだ部分が神経節ですので、下の図からイメージしてみて下さい。
社団法人 東洋療法学校協会 編 『解剖学』P.145より
もう一つ。
メモ書きが消しきれていませんが、下の図を見て下さい。
前根からは脊髄神経の遠心路・運動神経も出ていますし、後根へは交感神経と脊髄神経の求心路・知覚神経が戻ってきます。
つまり、前根と後根が合流したのは脊髄神経で、2本の交通枝を通り神経幹の神経節でニューロンを変えるものの、交感神経は、基本的に脊髄神経を通っているのです。
社団法人 東洋療法学校協会 編 『生理学』P.196より
この図からも、交感神経と脊髄神経の関係が深いことはわかって頂けるかと思います。
エドガー・ケイシーのリーディングには、「自律神経系と脳脊髄神経系の協調」という言葉が繰り返し語られたようですが、脊柱わきのマッサージも、それをもたらすことが目的の一つでもあるのです。
感謝
次回の記事を書く前に、もう一度、私の原点でもある、デイビット・マクミラン氏の講演会を振り返ってみたかったのですが、テープを少し聞き返しただけで、えっ、こんなことも言っていたんだ⁉︎の連続です。
ごくごく一部しか紹介できないのは、とても残念です。
テンプルビューティフルさんが制作して下さったテープはいつの間にかCDになり、今はその販売も終了してしまったようです。
テープには、『1998年4月22日デイビッド・マクミランM.A.来日記念講演「心の病を癒すホリスティック療法」』という文字が。
あれから26年。
あの講演会の開催を教えてくれた方と、テープが今も再生できることに感謝しています。
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