「脳」というカテゴリー

ジル・ボルト・テイラー博士の著書『奇跡の脳』を購入したのが何年前だったか思い出せませんが、ざっと目を通した、という感じだったと思います。

医学の世界は、昨日の常識が今日の非常識、今日の非常識が明日の常識になり得る世界なのだと聞いたことがあります。
つまり、私たち自身のことは、まだまだわからないことだらけなのでしょう。

37歳のときに起きた脳卒中のため、脳の左半球に大きな損傷を受けてしまった彼女が体験したのは、まさに、ネドじゅんさんが言う右脳回帰の状態でした。

でも、ネドじゅんさんのことも知らなかったあの頃の私は、右脳が左脳の支配から解放されると悟りの境地に至るなんて聞いたことない、と、批判的な人の意見に同調していました。

統合失調症の兄と自分の脳の何が違うのか知りたいという思いからスタートして、ハーバード大学で研究を重ねてきたジル・ボルト・テイラー博士こそ脳神経科学の専門家だというのにです。

少し話しが飛びますが、私は20代から30代にかけて統合失調症の方が多く通われていた通所施設で5年ほど働きました。

でも、そこを辞めてから、髄膜炎をきっかけに姉が精神的なバランスを崩したり、母の認知症が進行したり、と、いろいろあって、「脳の病」によって愛する人達が変わってしまうことが恐くてたまらない自分に気づくこととなりました。

昭和は、街を歩けば綺麗な精神科クリニックが目に入るような今とは違います。
そんな、育った時代も影響していたかもしれません。

10代のとき、頭から強迫観念が離れなくなり、確認行動を繰り返すようになると、これは、メンタル的なことではなく脳に問題が生じたのだとわかりました。
けれど、絶対にそれを認めたくなかったし、隠しきれませんでしたが、誰にも知られたくありませんでした。

30代になり、全く問題が無いと思っていた自分の体が、緊張を溜め込みひどく不快な状態だと気づいたとき、今でいう強迫性障害を発症したことも含めて自分に起きたこととこの体は無関係ではないと感じました。

そして、それが私に、脳もまた体の一部なのだという視点を与えてくれたのです。

マッサージ師になり、全身に張り巡らした自律神経に夢中になってもきました。

一方で、ずっと関心のあったクレニオセイクラルセラピー(頭蓋仙骨療法)を学び中枢神経系に存在するグリア細胞へのワークを学んだりもしてきました。

それでも、脳そのものと向き合うことを避けてきた自分が居たようにも思えてしまうのです。

ネドじゅんさんと出会い、ジル・ボルト・テイラー博士の『WHOLE BRAIN 心が軽くなる「脳」の動かし方』という本を新たに手にしたことをきっかけに、「脳」というカテゴリーを立ち上げることにしました。

脳の面白さ、そして素晴らしさをシェアしていきたいと思っています。