ジル・ボルト・テイラー博士に学ぶ左脳マインド・右脳マインド③

(前略)右脳はすべて、「いま、ここで」に関係しています。それは歯止めなく熱狂し、はねまわり、どうなろうと知ったこっちゃありません。よく微笑み、やたらとフレンドリーです。
 それと比べて、左脳は細部で頭が一杯で、分刻みのスケジュールで人生を突っ走ります。左脳はクソ真面目なのです。歯ぎしりしながら、過去に学んだことに基づいて決断を下します。一線を越えることなく、あらゆる事を「正しい・間違っている」、あるいは「良い・悪い」で判断します。(後略)

『奇跡の脳』P.225-226)

テイラー博士とネドじゅんさん、それぞれが出会った左脳と右脳の性格はよく似ています。

本当にこんな感じなら、若い頃の私は、右脳の声は全く聞こえず、左脳に雁字搦めになっていたのでしょう。
そのあまりにも極端だった状態は、自律神経や知覚神経に問題が生じ、身体との繋がりが弱くなっていたことも関係していたに違いないと思ってきました。

ですから、ネドじゅんさんの、右脳は神経を通して身体と猛烈に繋がっているという話を聞いたときはワクワクしました。

テイラー博士も、右脳マインドについて下記のように言っています。

運動感覚があり、機敏で、世界の中で流体のように動くからだの能力が大好き。細胞が「直感」として伝える微妙なメッセージにも耳を傾けます。右脳マインドは触って体験して学習するのです。

『奇跡の脳』P.228-229

続きをもう少し引用させて頂きます。

 右脳マインドはひたすらに自由な宇宙を求め、過去や未来の不安によって身動きがとれなくなることはありません。わたしの生命と、あらゆる細胞の健康を讃えます。

『奇跡の脳』P.229

素晴らしい!

一方、左脳マインドときたら‼︎

 最も印象的なのは、左脳は何かを作るとき、実際のデータに空白があると、その空白を埋めてしまう能力があること。そのうえ、ひとつの話の筋をつくる過程で、シナリオの代替案を用意する天才的な能力まで持っています。
(中略)
 左脳の言語中枢が回復してふたたび機能し始めたので、わたしは長い時間をかけて、最小限の情報をもとに、どのようにしてわたしの中の物語作家が話を完結させるのか観察してみました。長いあいだ、自分の物語作家が妙なことばかりするので、ふざけているんじゃないかと思っていました。ですがとうとう、左脳マインドは脳の残りの部分に、完成しつつある物語を信じさせようと心から願っていることに気づいたのです! 左脳マインドの性格と機能が復活するまでのあいだ、自分の脳が最善の仕事をしていると思い続けることがとても重要でした。
 しかし、知っていることと、知っていると思っていることのあいだに大きな隔たりがあることを忘れてはいけません。自分の物語作家が、ドラマやトラウマ(心的外傷)を引き起こしかねないことにもっと注意を払うべきだったのです。
 同じ調子で、左脳が真実だと信じこんで作る物語には、冗長な傾向も見られました。まるで反響しているかのように、心にくりかえしこだまする、思考パターンのループができてしまうのです。ふつう、こういう思考のループは頭の中に「はびこって」しまいます。そしてわたしたちは知らず知らずのうちに、最悪の事態ばかり考えるようになります。

『奇跡の脳』P.233-234

知人から「あなたは私にこんな酷いことをした」と過去のことを責められたけれど、どう考えても相手が事実とは違うストーリーを作り上げているとしか思えなかった、何てことはありませんか?
こちらが違うストーリーを信じ込んでいる可能性もありますが、どちらにしても、物語作家である左脳マインドが事実を捻じ曲げてしまうことって本当にあるのでしょう。

そして、テイラー博士が言う“思考のループ”は、本当に厄介ですよね。
それがあることに気づかないまま、繰り返し望まない結果を引き寄せてしまったり。
思い込みだとわかっていても、あまりにも長い間、聞き続けてきたので手離せるとは思えなかったり。
あっ、手離せないと思うのも左脳マインドですね。 

何はともあれ、回復する過程で、彼女がじっくりと観察してくれた左脳のこのような側面は覚えておいた方が良いのでしょう。

それにしても、なぜ左脳は、私たちを苦しめる機能も備えているのでしょうか?

私自身は、左脳マインドの世界を体験し右脳マインドの世界に戻っていく、それもまた魂が成長するために選んだ過程なのだと思っています。

ですから、もう左脳マインドの世界を充分体験したのなら、テイラー博士のように、左脳マインドをじっくり観察し、
“どのように感じ、何を考えるか”自分で選び始めましょう!

次の記事に続きます。