ジル・ボルト・テイラー博士に学ぶ左脳マインド・右脳マインド④

もし回復を「古い脳内プログラムへのアクセス権の再取得」と定義するなら、わたしは一部しか回復していません。どの感情的なプログラムを持ち続けたいのか、どんな感情的なプログラムは二度と動かしたくないのか(たとえば、短期、批判、不親切など)を決めるには、やきもきしました。この世界で、どんな「わたし」とどのように過ごしたいかを選べるなんて、脳卒中は何てステキな贈り物をくれたのでしょう。脳卒中の前は、自分なんて脳がつくりだした「結果」に過ぎず、どのように感じ、何を考えるかについては、ほとんど口出しできないんだと信じ込んでいました。出血が起きてからは、心の目が開かれ、両耳の間で起きることについて、実際にはいろいろと選べることがわかってきました。

『奇跡の脳』p.197-198

なんだかんだ言っても、私たちが生きているこの社会は、左脳マインドの世界。
皆んなで幸せになろう、ではなく、他の人よりも秀でて自分で幸せをつかまなけれどいけないというメッセージに溢れています。

自分の思考を観察してみても、
人と自分を比べて、優位でありたい、より恵まれていたいと思うことは、しょっちゅう。
人より良い思いが出来たと密かに微笑んでみたり。
自分の思っていることが、全て皆んなにわかってしまったら、真っ青です。

それでも、幸いと言って良いのでしょう。
私は、社会人になってから、左脳マインドの社会が求める人間になろうと懸命に努力しました。
けれど、結果的には挫折しました。
でも、そのおかげで、この社会の前提が、必ずしも正しい訳ではないと気づけたのです。

ワンネス。
全てがひとつの右脳マインドの世界。
誰かに勝たなくても、
自分の正しさを主張しなくても、
皆んなが幸せになれる世界。

長く楽しんできた左脳マインドの世界から、
本来の右脳マインドの世界に戻っていこうと思います。

そうそう、おかしなことをしないかしっかり観察しつつ、もちろん左脳マインドさんとも一緒にです。

長くなってしまいましたが、下記テイラー博士の言葉で、このシリーズを終わりたいと思います。

 何かに焦点をさだめて集中する人間の心は、宇宙で最も強力な道具だとわたしは思います。そして言語を使うことによって、左の脳はからだの治癒と回復を早める(あるいは遅らせる)ことができます。言葉を話す左脳の自我(エゴ)の心は、五〇兆の細胞の天才たちのチアリーダーの主将として機能します。そして、自分の細胞に「さあ、がんばって行こうね!」と、くりかえし励ますとき、体内には治療環境を改善するなんらかの振動が引き起こされるように思えてならないのです。細胞が健康で幸せなら、わたし自身も健康で幸せになれるはず。

『奇跡の脳』P.257