トラウマで生じた過剰なエネルギー

私たちの身体が、生命の危機と感じる場面に遭遇したとき、

通常は先ず交感神経が働き、

「逃走か、闘争か」という準備が進められます。

けれども、そのどちらも不可能となったとき、

今度は副交感神経が働いて、凍りつき、あるいはシャットダウンが起こります。

これが起こると、本来は逃げるか戦うことで解放されていたエネルギーが、解放されないまま、神経系に閉じ込められてしまうのです。

動物は、時にブルブルと体を震わせエネルギーを解放し、硬直反応から出てきます。

けれど、人間の場合は、そう簡単にはいきません。

なぜなら、私たちの脳は、爬虫類脳を覆っている大脳新皮質が、高度に、そして、複雑に発達しているからなのです。

封印したエネルギーを解放するには、動物のように、爬虫類脳の導きに従う必要があります。

けれど、私たちの大脳新皮質は、恐れや強引なコントロールから、爬虫類脳の本能的な衝動を妨げてしまうのです。

こうして、硬直状態に入るときに恐怖や不安にしっかり結びついてしまった過剰なエネルギーは、解放されることなく、神経系に閉じ込められてしまうのです。 

そして又、この過剰なエネルギーを解放出来ないために、自律神経系は、元の状態に戻ることが出来なくなってしまうのです。

過剰なエネルギーが神経系に閉じ込められるというのが、具体的にどういうことなのかは、今の私にはまだよくわかりません。

けれど、持って生まれたものではない過剰なエネルギーが、様々な問題を引き起こしてしまうというのはわかります。

例えば、強迫性障害の症状とされている犯罪恐怖で、万引きだとか、してはいけないと分かっていることをしてしまうのではないかという強迫観念に怯える方がいます。

してはいけないという思いが強すぎることもあるでしょう。

でも、実際に、突き動かされてしまうように感じるほどの、過剰なエネルギーを抱え込んでしまっている場合もあるように思うのです。

参考図書 『心と身体をつなぐトラウマ・セラピー』ピーター・リヴァイン 著